こんにちは☆三国志アナリストの橘花美郁(たちばなみいく)です!
今から10年以上前になりますが、2009年にこんな記事を書きました。
荀彧は ハッピーエンドがいいよ♥♥♥|潁上華電視台 DAY1
https://miikutpz.sakura.ne.jp/site/about-empty-box.html
西暦212年、魏公の位に昇らんとした曹操に反対し、不興を買い追い詰められて自殺するに至ったというのが定説のようですが、私橘花美郁は別の考えを持っています。死因も不確かなまま、様々な憶測が飛び交い現在に至った…
魏建国以前の二人の関係性をみると、喧嘩はしてもそんな憎しみ合うようにはおもえないんですよね。荀彧に対して大甘な曹操よ。
正史は当事者が書いてるのではなくて、のちの人間がたぶんこういうことだろうって書いてるだけだなので。曹操達‘‘身内‘‘以外にも前漢時代から幅をきかしている長老達、旧貴族達など新勢力の曹操達をよく思わない連中も多かったはずです。正史を書く際の‘‘証言者‘‘は果たしてすべてが好意的な証言者たちであったかどうか。 建前上は曹操に従っていたとしても。
そういったことを踏まえつつ美郁流解釈をお楽しみ下さい。
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荀彧の最期についていろんな説があるけど、真相が知りたい☆美郁流解釈☆
☆橘花美郁について
荀彧ファン歴は30年ほど
イラスト投稿や同人活動、三国志関連サイト、自主アニメも作っています。荀彧伝現代語訳のサイトも運営しています。(最後にまとめておきますので興味ある方はどうぞ~)
この私がわかりやすく解説します☆
■1:荀彧の最期について諸説をまとめました
✓病死説
魏書、後漢書で書かれている。正史に書かれていることなのでこれが正式な見解と思われるけど一体なの病気だったのかまでは書かれていない。
両荀彧伝をさかのぼっていても、荀彧がなにかの持病を持っていたとは書かれていない。
曹操なら頭痛持ちだったとか有名ですけど。
当時の医学では解明されてない病気だったのか、急性の病気だったのか。
脳梗塞とか心不全とか?現代人からするとそんな病気になるくらいだから過労かストレスたまってたんだろう→きっと曹操にいじめられたんだ!って紐づけられやすいかもしれないですね。
✓自殺説
魏書、後漢書の注の中に書かれている。
曹操が魏公になるのを反対したため、自殺しなきゃいけないように追い詰めた、というもの。三国志演義だけだと荀彧の活躍シーンが少なくいまいちキャラがつかめないため、正史に書いてあるんならそうなんやーと結構うのみにしてしまう人が多いと思われます。そんな神経細い人物が曹操軍団の幕僚長なんぞ務まりませんよ。正史を読むと、荀彧のほうが部下だけど曹操に対して結構グイグイ言ってるし曹操もそれを受け入れてたので私は自殺説は陳寿の嫉妬による捏造だと思ってますw
✓コロナ説
先日、魏書荀彧伝の現代語訳の記事を書きました。
魏書 荀彧伝 14(現代語訳)|橘美郁注荀彧伝注釈
https://xunyuzhuan.blogspot.com/2020/08/14.html
ここに注釈として雑学を交えて、私の考察を詳しく書いています。
黄巾の乱の頃も訳わからん疫病が流行し、不安に駆られた人々が新興宗教の太平道に入信してましたよね。当時はコロナウィルスなんて言葉はなかったでしょうけど。魏書の記述をあてにするなら荀彧を襲ったのは「病」ではなく「疾」である。
「病」はガチ病気、寝たきりになって起きれないくらいの症状
「疾」軽い病気
許都から兵士達のの慰問のため濡須(じゅしゅ)に向かう荀彧。
旅の疲れから出た軽い風邪と思っていたら、詳細不明のウイルスだった…
荀彧が故郷の潁川郡(許昌周辺)でなく寿春にお墓があるというのも匂うなあ。
指定伝染病であったため亡くなった後に故郷に連れて帰れなかったことから、
許都出禁にされた→曹操に疎まれたから
と人々に誤解をされて伝わったのかも知れませんね。
■2、漢文の知識不要!難しいところは読まなくても大丈夫
手軽な文庫本もいっぱい☆三国志関連本はネタの宝庫♪
三国志って歴史でしょ?漢文とかわからないし難しそう
…でも大丈夫です。
今は現代語訳された本が大量に出回っているし手軽な文庫本も多い。最初は皆知識ゼロだからです。
私自身も、1990年代に放送されたアニメ三国志で興味を持ち始めたものの、当然知識ゼロでした。なんならネットもスマホもない頃です。
当時の私は、超長編なのはわかったからまずざっくりでいいから全体像を知りたいと思い、最初は厚さ1cmほどの文庫本、青い鳥文庫の「三国志」から始めました。
(※今は増版されて分冊化してるようです)
人名や地名覚えるのに苦労しましたが、好きな人の情報なら苦にならないですよ♥
だんだん知識が増え、物足りなくなって次々読みたくなりますよ。
なので今は全然わかんなくても問題ありません、人によって楽しみ方はいろいろなので。歴史書っていうよりここまでアレンジしてもいいの?こういう解釈があるの?と幅に驚かされます。
三国志とはめちゃくちゃ懐が広いジャンルだと思います。
▼古い記事ですが私が読んだとこがある三国志関連本についての記事
ぷちレビュー付きw置いときます
ライブラリー1|潁上華電視台DAY1 https://miikutpz.sakura.ne.jp/site/library1.html
ライブラリー2|潁上華電視台DAY1 https://miikutpz.sakura.ne.jp/site/library2.html
古くは1985年、1991年など…何度もアニメ化されている三国志
懐が深いといえば、三国志業界入りたての私にとって衝撃だったのはやっぱ「天駆け(テンカケ)」ですかねえw
「天駆け」とは1985年にTVで放送された「三国志~天駆ける英雄たち」というアニメです。1991年にも「横山光輝三国志」がアニメ化されていて私はそれをみて興味持ったんですが、昔も三国志のアニメやってたよ!と友達がVHS貸してくれたんです。…パンチ効きすぎてました!…そししびれましたw
なにこのフリーダムな三国志!!同じく横山光輝原作なのにぜんっぜん別のキャラやん!しかもなんで曹操が金髪?女于禁ってどゆこと?双子の、兄弟って?!はいぃ?誰がやねん!(見たらわかります)
三国志ってこういうかんじなんだ…ちゃんと難しい歴史勉強しなきゃ入れないようなジャンルかと思ったけど、こういう解釈つーかアレンジもありなんだ…とちびっこの私は安堵したのでした。
…VHSなんてもうないかと思ったけどU-NEXTの見放題の中にありました。あるんやw いろいろネットで旧作アニメ配信してますもんね。
トライアルで30日間無料で見れるようです
→日本最大級のビデオオンデマンド<U-NEXT>無料トライアル実施中!
ドラマ、漫画と雑誌も読み放題なので、コレ一つでどっぷり趣味の世界にダイビングできますねw
では荀彧に話を戻しましょう。
■3、たくさん読まなくても大丈夫、荀彧を知るためにおすすめな本3選 ☞
その1:「秘本三国志 全6巻」
著者 陳舜臣 文春文庫
荀彧様の亡くなるくだりは第5巻に入っています。
司馬懿がいい仕事するw 荀彧が亡くなった直後、曹操との不仲を噂する人々に
「あの二人は我々が入れない深いところでつながっておられるのだ」とたしなめる。
そういえば陳舜臣先生は、後漢の名士陳羣の末裔だそうです。す、すごくない?
陳羣の末裔が日本に住んでいるって夢あるな。それなら同じく潁川清流派で、家族ぐるみの付き合いをしていたという荀氏、鍾氏の末裔が日本に住んでいてもおかしくナイ♪
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その2:「正史三国志 全8巻」魏書荀彧伝
著者 陳寿 裴松之 他 ちくま学芸文庫
※メジャー 以前はほぼこれ一択だった
「正史三国志 全8巻」のうち荀彧伝は2巻に入っています。日本語に訳されています。ちくま以外にもいろんな出版社から出ている。後漢書よりも数は多いかも。
▼2009年の記事より「荀彧はハッピーエンドがいいよ♥♥♥」
https://miikutpz.sakura.ne.jp/site/about-empty-box.html
ただし陳寿フィルターがかかっていて、荀彧伝官渡あたりは細かい描写されてるのに後半に進むにつれ手抜きになっている。仕事とはいえ魏を正当な王朝として書くのやだったんだろうなー。まして魏建国の功臣で司馬氏の時代になってもリスペクト集めまくりの荀彧に嫉妬したんだろうな。
編纂してる陳寿自身が蜀の人間であり、本来なら現在の司馬氏の晋は曹氏の魏から帝位を禅譲されてるから魏をメインにかかないと晋の正当性が揺らぐっちゅうのに、あえて祖国の蜀をアピりたかったんでしょう。今までの時代のような紀伝体でなく列伝形式にして魏も呉も蜀もフラットにしてきてる。今は親会社でポジションもらったけど、もともとは吸収された子会社の人間なので、せめて竹の板にかつての栄光を止め置きたかったのか?
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その3:「全訳後漢書」後漢書荀彧伝
著者 范曄 渡邉義浩 他
※図書館の棚にずらっとならんでそうなハードカバーの本です
「正史三国志」リリース後、5世紀の中国南北朝時代に范曄によって書かれています。
范曄さん当時の権力者の怒りを買い(偉い人の喪中に宴会しちゃった!)、左遷されぴぇんだったので趣味でぼちぼちと後漢時代を描いた歴史書を集めては編集していた。同人誌やんw 公式なミコトノリ系じゃなく自主制作だったようです。でもそれが現代まで残っていて内容読めるってすごいな。
後漢書は後漢を生きた人たちの書いたものも含み、短編の歴史書を組み合わせて書かれています。現代の「まとめ記事」ですね。エピソード多いです。
散逸してしまった原典もかなりあるので、范曄がまとめ記事を書いたおかげでかろうじて伝わっている状態。
荀彧様のおじいちゃん荀淑伝や党錮伝では清流派の先輩や仲間の伝があり、荀彧のバックボーンを知る手がかりが見つかりやすいです。
荀彧伝は巻70、おじいちゃんいとこ親戚は巻62、党錮列伝は巻67にあります。
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「王佐の才」と「王佐の器」、「空の箱」と「空の器」…曹操と荀彧をつなぐ運命の糸?!
…ここまでつらつら書いておいてアレなんですけど、
曹操にもらったのは「箱」じゃないんですよね。両荀彧伝には「器」と書かれています。
器とは食べ物や酒などを入れる容器のこと。
そして、荀彧の評価というか呼び名で有名な、
「王佐の才」。
あれもホントは「才」じゃないんです、じゃない可能性があります。
幼いころの荀彧を可愛がってよく面倒を見ていたアニキ分の何顒(かぎょう)という人物がいます。
(何顒兄さん、地元は南陽だけどオレは首都洛陽の太學出てるんだ!シティボーイと呼んでくれと言ってます…w)
曹操と荀彧をつなぐ共通の知り合いでした。
その何顒が幼いころの荀彧をみて、コイツは今は子供だけど将来有望と思い「この子には帝王を補佐する才能がある」と評価したといわれています。
後漢書何顒伝では「王佐の器なり」と書かれているんです。
同じ後漢書の中で同一人物の話題なのに「才」と「器」、二つの記述があるわけです。
元ネタ発信者の何顒が「器」といってるので、これは「器」が正解なんじゃないでしょうかね?
荀彧初登場のキーワードが「王佐の器」、最期に出てくるキーワードが「(空の)器」。
私はここに、
曹操と荀彧をつなぐ運命の糸が
切れずにつながって見えるんですけどね。
そのお話はまた次回!
再見!
私橘花みいくは、荀彧様は『志半ばで病気で亡くなってはいるけど、心には希望の光がともり続けていた説』に人生全振りしていて、荀彧様を中心に同時代の人物や三国志の主に前半部分の歴史活動や発信を行っています♪YoutubeやTwitterもやってます
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